第24章 悠久と玉響 【明智光秀】
光秀さんが彼女との逢瀬を承諾するにあたり、つけた条件が一つあった。
それは、私も同行すること。
流石に女二名と光秀さんとでの逢瀬はおかしいので、男性をもう一人追加して、ダブルデートのような形を取ることになった。
そのもう1名は秀吉さん。
「『会うだけ会え』と提案した以上、お前もその責務を負え」との事らしい。
しぶしぶ承知してくれたけれど、気遣い名人の秀吉さんの事だから、万が一何かの事態があっても対処してくれるだろうと私は心強かった。
信長 「秀吉、
これはあくまで光秀の逢瀬の同行任務だ。
莉乃との逢瀬ではないぞ。
その女の邪な気が莉乃に向かわぬよう、しかと果たせ。」
秀吉 「はっ、必ずや信長様のご期待にお応えして参ります」
目的が変わっている気がするけども・・・
感情を出さない光秀さんは珍しく「面倒です」という表情をしていた。
政宗の提案で、その日は馬で遠乗りをし湖まで行く。
そして湖畔でお弁当を食べ小舟に乗る、というデートコースになった。
なんと、お弁当は政宗が用意してくれるらしい。
「さすが政宗! プレイボーイは提案力が違うね!!」
政宗 「ぷ、ぷれい・・・?まぁいい。
光秀もいつまでもそんな顔してねぇで、楽しめ!」
三成 「光秀様、頑張ってくださいね!」
家康 「何を頑張らせるんだよ・・・」
家康は「心中お察しします」という表情をしていた。
こうして私は、条件付きだけれども逢瀬の提案を彼女にし、彼女も大喜びでその日を迎えることとなった。
___逢瀬 当日
光秀さんの馬に彼女__涼子さんが同乗し、私は秀吉さんと馬に乗らせてもらう。
涼子 「光秀様とご一緒に乗馬できるなど、夢のようです」
光秀 「あぁ、本当に・・・夢であって欲しい。」
キラキラとした表情の涼子さんとは裏腹に、表情を消した光秀さんは涼子さんの方を見ずに答え、馬の腹を蹴り、出発させた。
私と秀吉さんはお互いの顔を見合わせ、渋い顔をし合う。
これから始まる逢瀬に一抹の不安を覚えていた…