第23章 平静と刺衝 【石田三成】R18
___翌日 軍議
いつものように莉乃が茶を持って入室するも…
それがいつもとなんら変わりない莉乃の所作だったにしても…
昨日よりも関係が悪化していたのは、誰の目から見ても
___信長、光秀、政宗、秀吉の目から見て、明らかだった。
三成と仲違いでもしたのだろうか、程度だったものに今日は家康も加わっている。
尖った心と悲しみ、いたたまれなさ…
それぞれの気が発するその空気感は、昨日の光秀のように『随分と仲睦まじい』などという冗談はおろか、気遣い名人の秀吉ですら何か言うことをためらう程だった。
信長 「貴様ら、私情を持ち込むな」
厳しい一言が発せられるも、どうすることもできない事は全員が分かっていた。
しばらくして軍議が解散となり、それぞれが職務に戻る途中、、、
政宗 「三成、待て。」
心ここにあらずな三成を政宗が呼び止める。
政宗 「お前、ちょっと来い」
腕を掴まれ半ば引きづられるように政宗に連れて行かれた先は、莉乃の自室だった。
政宗 「莉乃入るぞ」
そう言って返事を待たずにずかずかと踏み込む、三成とともに。
「どっ、どうしたの!?」
突然開いた障子と登場した二人に目を見開いて驚く莉乃.
政宗 「こんな野暮なことしたくはねぇが、莉乃に選ばせてやろうと思ってな。
三成も男だ、てめぇの気に入りが影で狙われてんの癪だろ?
俺は莉乃を気に入ってる。奥州に連れ帰りたいほどに。
だから俺の女になれ。
俺なら莉乃を満足さてやれるぞ、色々とな。」
そう言うと、莉乃の顎に指をかけ、ぐいと上を向かせ目線を合わせさせる。
にやりと笑うその目には、獰猛な雄の発する欲と自信からくる余裕が見えていた。