第23章 平静と刺衝 【石田三成】R18
___その晩。
莉乃は自室で三成のことを考えていた。
思いを交わし、体を重ねようとしたあの時…
三成くんは触れただけで果ててしまった。
それ自体は、、、
驚きはしたけれど、きっと気持ちが昂ぶっていたせいだとさほど気に留めてはいなかった。
それよりも、その後に三成くんがそっけない態度になってしまった方が気がかりだった。
嫌われてしまったのか… 一体なぜなんだろう…
私に悪いところがあるなら言って欲しい。
昼間、光秀さんに『喧嘩になれればいい』と言ったのは、そっけなくされるだけで感情が見えないことに対しての不安からだった。
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三成は莉乃の部屋へ向かっていた。
2回に渡る己の失態と…
そして自分の不甲斐なさからくる、莉乃へそっけなくしてしまった態度を謝罪するために。
三成は家康から処方された薬を服用していた。今夜こそは、という思いを込めて。
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「莉乃様? 三成です。」
想っていた本人の突然の訪問に驚く。
「こんな時間にどうしたの?どうぞ入って。」
招き入れたものの、どう話をしていいか分からない。
「莉乃様…
私は、自分の不甲斐なさに莉乃様に不愉快な思いをさせてしまいました。
申し訳ありません。
二度にも渡るあのような出来事で恥ずかしい限りなのですが…
挽回する機会を今一度いただけませんか」
そう言うとふわりと抱きしめられた。
挽回する機会というのは…きっとそういうことなのだろう。
三成の想いを察した私は、同意の意味を込めて三成に頷いて見せた。
どちらともなく唇が重なる。
いつも穏やかで乱れる様子のない三成が、欲を灯した男の視線で見つめてくる。
首筋に唇を落としながらも器用な手が腰に掛かり、ぱさりと帯が落とされた。
開かれた小袖、その間から差し入れられた手が襦袢の上を這い回り、繊細な指つきで腰を撫でられ…
ぞくぞくとした快感が広がり吐息が漏れた。