第3章 梔子の嫉妬 ~前編~ 【徳川家康】
_翡翠の嫉妬_ 徳川家康 偏
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(秀吉&政宗Side)
「また見てんな、家康のやつ」
「何がだ?政宗」
「お前、気づかねぇか? 家康の目線の先!」
「んーー? あっ!!」
「な? あいつ、莉乃のことばっか見てんだろ。
無表情はいつもと変わらないが。」
「家康が薬草以外に興味持つことなんてあるんだな」
「あいつと莉乃は真反対な性格だからな。
惹かれるものがあるんじゃないか?
…これは面白いことになりそうだ」
「まーさーむーね。お前、変なこと考えんなよ」
「『変なこと』は考えてねぇよ。人助けだ」
そう言って政宗はにやりと笑った。
その横顔を見て、秀吉は嫌な予感しかしなかった…