• テキストサイズ

【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第21章 猛将の憂鬱 ~後編~






「このまま・・・ここにいろ」



回される腕に力がこもり、体が密着する。
信長様の心臓の音が胸から移り、一緒に時を刻んでいるようだった。




当たり前の質問をぶつけてみる。



「なぜここにいらっしゃるのですか?」


「貴様と話すために来たが・・・寝ておったので運んだ」


「布団はどなたが用意を?」



「俺だ。」



「・・・信長様がここに来て、布団を敷いてくれた、、、

あ、ありがとうございます・・・」



「大事ない。」



理解が追いつかない。
第六天魔王と呼ばれるような信長様が自らやってきて、布団を敷き、寝かしつけてくれるなど・・・





「話に来た、とは・・・ご用事は何だったんですか?」



平常を装い話しながらも、少しずつ体の距離を取ろうとする。


いくら会いに来て布団を敷いてくれたところで、信長様の考えていることは分からない。
お互いが、この数日のことを帳消しにできるとは思っていなかった。




「用事がなければ、『かのじょ』に会いに来てはならんのか

・・・おい貴様、離れていくな。 ここにいろと言ったろう」



少しの隙間が出来始めたお互いの距離を、また詰められてしまった。



信長様の口から『かのじょ』と出るとこそばゆくなってしまう。




「用事がある、と言えばある・・・


疑って・・・・・・すまなかった」





「今・・・なんて?」


「二度は言わん」



明らかにバツが悪そうにそう言って目をそらしてしまった信長様。
この言葉を伝えようとしに来てくれたのだろう。



冷たくなっていた心が溶けていくような…
じんわりとした暖かさが胸に広がった。


この言葉を聞けたから・・・

もう、大丈夫だ。 




「私の方こそ・・・嫌な態度をとり続けてごめんなさい。」



「本当だ。 この数日・・・苦しかった。
貴様が俺から離れるなど、許してやらん。 
身も心もだ。」



そう言って、久しぶりに私たちは口付けをした。
お互いの気持ちが、つながっているのを確かめ合うように。


/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp