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【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第20章 猛将の憂鬱 ~前編~



秀吉 「あぁ莉乃、そんな顔しないでくれ…」



家康 「…あんた、そうやって吠えるけど。元々の原因は自分だって分かってる?
俺たちだって行きたくて行ったわけじゃない。」



「なんで私が原因なのよ」


家康 「あんたがあんな格好して…
お供も付けずに出歩くって言うからでしょ。」



「たまにはいいじゃない!!信長様にだってきちんと許可取ったもん!」



家康 「心配するこっちの身にもなんなよ。
あんたにもしものことがあったら…俺__」



政宗 「おい家康、やめとけ。何を言おうとしてんだ。

莉乃も落ち着けって。莉乃があんまり綺麗だから信長様は心配されたんだ。」



三成 「そうですよ莉乃様。決して、悪気はないんです」



「ってことは… 尾行させたのは信長様なの?」


秀吉 「あ、いや、それは…」



光秀 「……俺の趣味だ」



「はい?」



光秀 「着飾ったお前を見ていたくてな。どこで誰と会うのかも気になったからだ。 

こいつらは…たまたま俺に付いてきただけだ。」






「もう良い」


そう言って信長は障子を開けた。



「ここから先は俺が莉乃に話す。
貴様らは下がって良い。大儀であった。」




「莉乃、共に天主へ来い」




武将たちによる莉乃尾行作戦はこうして幕を閉じた。



信長について広間を出て行く莉乃。
武将たちの方は一切見ず、振り返りもしなかった。










政宗 「莉乃が怒るとこえーな」


秀吉 「絶対口きいてもらえない…絶対口きいてもらえない…」


三成 「大丈夫ですよ、秀吉様。

莉乃様はそんなに心の狭い方ではありません。
信長様や私たちの気持ちが伝われば、また元のように笑って下さるはずです。」




家康 「……」


光秀 「…」



思わず心の内が露見してしまったことを悔やむ家康。

光秀もまた、信長様に矛先が行かぬようにと付いて出てしまったのは本心だった。



二人が黙る理由…

それぞれが立場をわきまえ、想いを飲み込んで苦い記憶となったからだった。






__猛将の憂鬱__ 前半 完



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