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【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第20章 猛将の憂鬱 ~前編~





光秀 「やられた!!」


政宗 「あいつ、どこ行った!?」


秀吉 「まだ遠くへ行っていないはずだ!」


三成 「誰かにさらわれたのでは!?」


家康 「ったく、どこに消えたんだよ」
 



____莉乃 「消えてません。」



駆け出そうとしていた武将たちは、探そうとしていたその本人から話しかけられ、一斉に飛び上がる。



背後には一切の表情を消した莉乃が立っていた。





莉乃 「ここで  何を  しているんですか」




秀吉 「…公務だ」
光秀 「…秘密だ」


同時に言ってしまう。



家康 「ちょっと!口裏合わせてから発してくださいよ!」

小声でたしなめるも、時すでに遅し。



莉乃 「公務、それさっきも聞きました。

あら政宗。夕餉の買い出し、まだしてたの。ずいぶん長いね。とっくに夕餉の時間過ぎてるけど。」



政宗 「お、おう、もうそんな時間だったか! 全く気づかなかった、
はっはっは…」




三成 「莉乃様…
実はわたくしたちも『男子会』をしていたのです。

『女子会』の説明を聞いた後、それは楽しそうだ!ということになりまして。
家康様発案の元、私たちも城下を散策し、お茶をしてきたところでした。」



嘘なんて付くはずありません、という笑顔で三成が説明する。


莉乃 「絶対嘘だよね。」



光秀 「実はそう、秘密の『男子会』だったのだ。」


秀吉 「えっ、そうなのか?」


…政宗に脇腹を突かれる秀吉。




家康 「なんで俺の発案設定なんだよ。
もっと適任いるだろ、秀吉さんとか」

小声でぶつぶつ言っている。




莉乃 「そうですか。
詳しいお話は、城に帰ってからうかがいます。
みなさん、軍議の間にお集まりくださいね。 失礼します」




そういうとその場から立ち去ってしまった莉乃。




この後、絶対に怒られると直感した武将たちは、若干の恐怖とともにしぶしぶ城へと戻ったのであった。



___この時代を代表する猛将たちが、憂鬱な顔をしてとぼとぼと歩く。



この珍しい様子に、街行く町人たちがみな、振り返っていていたほどだった。




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