第20章 猛将の憂鬱 ~前編~
三成 「光秀様、女性と恋仲になったことがないのでしょうか…」
秀吉 「そういえば、あいつの浮ついた話は聞いたことがないな」
家康 「まさかの…ぷっ」
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彩乃 「でもさ、一番そういうことと縁遠いのに、いやらしそうなのって三成さまだよねー」
莉乃 「三成くんが??」
夏希 「うんうん、ああいう大人しそうなのが案外凄かったりするんだよね。」
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三成 「私のことですよね? 『案外凄そう』ですか。心外です。」
家康 「え? なんでだよ」
三成 「『案外』は余計ですよ。」
秀吉 「み、三成お前……自己肯定感高い系だったんだな…」
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夏希 「政宗さまと秀吉さまは見た感じのまんま、って雰囲気だよね」
莉乃 「どういうこと?」
彩乃 「政宗さまは、年中発情系。 秀吉さまは世話焼き甘やかし系。」
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光秀 「年中…」
政宗 「発情系… 俺、もう帰りたい。」
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家康 「そのまんまでしたね、政宗さんも秀吉さんの印象も。」
三成 「女性視点でのご意見は大変参考になります。」
秀吉 「俺も凄そうって言われたかったぞ…三成に負けた…
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こうして、『男子禁制』な会話を楽しみ、食事とお酒でお腹もいっぱいになった莉乃一行。
女子たちの満足感とは裏腹に、聞いてはいけない会話を聞いて、各自、複雑な心境になった武将たち。
会はお開きになりそろそろ城へ戻る、という所だった。
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夏希 「今日は楽しかったーー! また行こうね!」
莉乃 「うん!すっごく楽しかった!」
彩乃 「じゃぁ、また明日、針子部屋でね~!」
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3人は別れ、それぞれ帰路に着く。
莉乃は一人歩いていた。
と思ったのも束の間、急に進路を変え裏路地に消えてしまう。
慌てふためく武将たち…