第20章 猛将の憂鬱 ~前編~
家康 「ああもう、いつまで買い物するんだよ、あの子達、長すぎ…」
秀吉 「まぁそう言うなよ。
莉乃の趣味を知る良い機会じゃないか」
政宗 「秀吉お前… その荷物どうしたんだ?
まさか全部莉乃のじゃないだろうな…」
秀吉 「あぁ、簪とさっきの反物屋で見ていた布だ。
この色は莉乃によく似合う」
光秀 「いつの間に買い込んだんだ、しかも買い物しに来たんじゃないと言ったはずだぞ。」
三成 「あ!次の店に入るようです!」
莉乃たちが向かったのは、食事処だった。
甘味から食事、酒まで楽しめるとあって、今、安土城の城下ではひときわ人気のある店だった。
店内に入ってしまった3人。
これでは中の様子が分からない武将たちは、店内を確認しに行った光秀の指示を待つ。
光秀 「これより店内に潜入する。
幸い、娘たちは奥の席に案内され入口に背を向けている。
しかも、この混みようだ。
話に夢中の娘たちには気付かれぬまい。
三成・家康・秀吉の一隊、そして政宗と俺が一隊となり二班に分けて席に着く。
客を装い、くれぐれも目立たぬように行動してくれ。」
一方、莉乃たちは
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彩乃「あーお腹すいた!いっぱい歩いて、疲れちゃったね」
夏希「うん、まずは… 乾杯しちゃおっか!」
莉乃 「いいねぇ!!」
そう言って酒を注文し飲み始めた。
注文した食事が次々に運ばれてくる。
夏希 「お酒飲むと、しょっぱいものが欲しくなるじゃない?
それで、しょっぱいものを食べると甘いものが欲しくなるじゃない?
そしたらまたお酒飲みたくなるじゃない。止まんないよね!」
彩乃 「わかるーー」
莉乃 「とりあえず、おにぎりと漬物と大福も頼んじゃおっか!」
夏希 「その組み合わせいいねー」
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家康 「どこがいいんだ、その組み合わせ…」
秀吉 「食い過ぎは体に悪いといつも言っているのに、あいつ…あいつ……」
三成 「ひ、秀吉様、落ち着いてください!また飛び出していかれませんように…」
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