第20章 猛将の憂鬱 ~前編~
光秀「何もそこまで拒否することはないだろう。
秀吉が同行してはまずい理由が何かあるのか?」
「全くありません!ですが絶対に来ないでください」
家康「益々怪しいんだけど。」
「100%怪しくない。清廉潔白。」
家康「は? 何言ってんの。
秀吉さんがだめなら三成に行かせるか」
三成「はい、私は喜んでお供させていただきます!
とても楽しそうな会ですし」
「今日は三成くんもだめ。」
(あぁ、三成くんもごめん。そんな顔しないで~…)
光秀「では誰なら同行しても構わないのだ?」
「全員だめです。
ご心配していただくのはありがたいのですが、今日は私だけで行ってきます!」
政宗「そんな会なんてやめて、俺と逢瀬にい__」
「行きません」
信長「莉乃がそこまで言うのだ、構わぬ。行ってまいれ。」
「信長様、ありがとうございます!
御用が無いようでしたら、私はこれで失礼させていただきます。
…くれぐれも、こっそりついてくるとか止めてくださいね。
では、行って参ります」
そう言うと皆さんに向けて小首をかしげてお淑(しと)やかに微笑み、三つ指で襖を閉め広間を後にした。