第2章 真紅の彼方 ~後編~ 【織田信長】R18
信長様をまっすぐ見つめ、心の内を告げる。
答えは目を見れば分かる。
お互いの間に狂おしいほどの熱情が行き来しているから。
掴まれていた手首の力が緩んだ。
私はその手をそっと取り、両手で包んで…口づける。
一瞬、全身にぎゅっと力が入ったように見えたけど、それはすぐに消えた。
手を離すと、自分から信長様の胸にゆっくり体を近づけ、抱きしめる。
命令でも懇願でもない。
主でも従者でもない。
今はただ、お互いを慕う者として、想いを重ねるのだ。
「……待ちわびたぞ」
どちらともなく視線が絡まり、唇が重なる。
唇を通じて愛を重ねるようにされる信長様のキスは、とてもとても、優しかった。
ついばむような口付けの後、私の上唇を挟むように、左から右へとゆっくり食(は)んでいく。
下唇も同じように食まれ、性急さなど一切ない唇への愛撫に吐息が漏れた。
だらしなく開いてしまう私の中に舌が入ってくる。
まるで自ら開くのを待っていたかのように。
ゆっくりと侵犯される口内・・・
優しく舌先を吸われ、思わず声が出てしまう。
「んっっぁっ」
「貴様は…良い声で啼く」
背中をなでられる手がもどかしい。
もう、走り出した気持ちを止められなかった。
もっとと求める私の視線を受け止めてくれた信長様の手が浴衣の帯にかかる。
…思わず信長様に背を向ける。
帯を解いて欲しいのか、恥ずかしいからなのか自分でも分からない。
器用に帯と腰紐を解き、浴衣を肩から下ろされた。
「貴様は、、、麗しいな」
腰まで素肌を暴かれた私は、その言葉を背後から聞いていた。
耳からうなじ、肩へと唇が落とされていく快感にただ身を委ねていく。
唇での愛撫を重ねながら、脇をするりと通って胸に手が伸びてきた。
手のひらが胸の形に沿ってなぞり、ゆっくりと移動していく。
少しざらついた指先が胸の突起の上を通り過ぎるたびに、痺れるような感覚に襲われ、漏れる声、変わる形・・・
信長様はすっかり硬くなってしまった私の敏感な突起を、人差し指で優しく突く。
かと思ったらその周りを円を描くようになぞっていく技巧に、震えが走ったと思った刹那、
背中を支えられながら、ゆっくりと褥に倒された。