第18章 傾国の紅粉 【豊臣秀吉 編】 R18
私がどれだけ秀吉さんを好きか。
500年後から飛ばされてきて、不安な時…
いつも秀吉さんに助けてもらっていたことへの感謝。
いつのまにか恋に落ちていて、想いを受け止めてもらえた時のとても嬉しかった気持ち。
秀吉さんの好きなところをひとつひとつ挙げていく。
もっと、秀吉さんのいろんな面を見たいし、私のことも頼ってほしいこと。
秀吉さんとずっと一緒にいたいと思っていること。
500年後に帰りたくないから…
この先も隣にいさせて欲しいことも。
そして、最後に伝えたのは…
今日、この私が生まれた日に。
秀吉さんの腕の中で新しい私に生まれ変わりたいと決心したこと。
それは…その相手は秀吉さん以外に考えられない、とも。
寝ているから、意識に残って覚えているはずはない。
それでも、打ち明けてしまった私の感情の行き先のなさに、鼻の奥がつんとして涙が出てきた。
その時、抱きしめられていた腕に引き寄せられ、胸に押し付けられる。
「俺は…果報者だ、こんなに莉乃に想ってもらえて」
「きゃっ!!!! ひ、秀吉さん 起きてたの??」
「いや、寝てたが…お前が寒いというから目が覚めた」
「じゃあ、聞いてたの!?」
「あぁ。 口付けて欲しい、なんて可愛くおねだりされたからな。
寝たふりをしてちょっとからかってやろうと思ったら、あんなこと言い出すから・・・」
暗闇でも分かるくらい、秀吉さんは照れている。
・・・あまりの恥ずかしさに、自分で自分がいたたまれない。
「・・・聞いたことは、忘れて。」
そう言うと流れてしまった涙を見られたくなくて、腕から抜け出しくるりと背を向けてしまった。
「莉乃 こっちを向いてくれ」
「いや」
「頼む、背を向けないでくれ」
「いやだってば」
「あぁもう!」
そう言うと、秀吉さんに強引に肩を引かれて、仰向けにさせられる。
抗議しようとした唇を塞がれ、いつもの秀吉さんとは思えない強い口づけが降ってきた。