第18章 傾国の紅粉 【豊臣秀吉 編】 R18
莉乃を部屋に送る途中、下を向いてばかりの様子が気になった。
「相当飲んだな、気分でも悪いのか?
湯殿の準備をさせてるから、湯浴みしてこい。」
いつもしているように、頭をくしゃりと撫でた。
「秀吉さん、あのね。」
「どうした?」
「さっき言ったこと、本気だよ。」
「あぁ、あれな。 驚いたぞ。
あんな場所で口に出してはだめだ。後でゆっくり教えてやるな。
とにかく、先に湯、浴びてこい」
「えっ、じゃぁ……いいの?」
「あぁ、そのくらいなら問題ない。
お前の誕生日だしな。それに「命令」なんだろ?
俺も湯浴みしてからお前の部屋に行くから、ゆっくり茶でも飲もうな。」
___莉乃は薄々感じていた、
二人が意味する『夜伽』の意味が違っていることを。
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莉乃を湯浴みに行かせた後、俺もさっと湯を浴び夜着と簡単な羽織に着替えた。
自室には莉乃と茶を飲む時にと用意しておいた茶菓子もあり、それを片手に部屋で待つだろう莉乃の部屋へと急ぐ。
茶を入れてやり、少し菓子でもつまめば莉乃も眠くなるだろう。
そして、希望通り『夜伽』だな。
添い寝してやれば安心して寝られるだろうか。
そんなことを考えていた。
障子の外から声をかける。
「莉乃、俺だ」
「どうぞ、入って」
朗らかな声の合図で障子を開けると……
部屋にはいつものような明るさがなく、褥の近くに一つが灯っているだけだった。
「なんだかこの部屋暗くな__」
そう言いかけ、莉乃の姿が目に入る。
「莉乃お前、その格好はどうしたんだ!?」
こちらに背を向けて立っていた莉乃が、首だけ振り返りこちらを見た。
莉乃は薄い襦袢姿だった。
体の線が丸わかりの…