第17章 傾国の紅粉 【明智光秀 編】 R18
気構えがないまま引かれ莉乃に唇を重ねられた俺は、うなじに回された細腕にもあがらえないでいた。
織田軍の諜報が・・・形無しだ。
莉乃の小さな湿った舌が入ってくる。
舌先を合わせ、さざ波のように動かしてきた。
ほう、いつも俺がしてやっていることか・・・
完全に逆転していた。
俺よりもずっと小さな背を伸ばして、俺に口づけを落としてくる。
今までずっと我慢してきた欲という欲が内側からせり上がってきて、飲み込まれそうになっていた。
「訊ねるのは最初で最後だ。 本当にいいんだな?」
「はい。」
唾液で濡れてらてらと光る莉乃の唇は、重ねすぎて既に赤く熱を持ち始めていた。
「おいで。
今度こそ本当に・・・可愛がってやる。」
首筋を軽く噛む。
びくりと震える肩から指先に向かって撫で下ろすと背中がふるりと揺れた。
今からは指の先まで、俺のものだ。
今までこらえてきた欲を解放する時が来た興奮。
莉乃と深い関係へと進められる安堵と喜び・・・
色々な感情が相まって・・・
俺の欲望の中心が早くも熱を持ち始めていた。
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(莉乃 Side)
首すじから伝わる唇の熱を感じながら、光秀さんの温かい手が浴衣の合わせから侵入してくる。
敏感になった突起を攻めるその指は、初めてそこに触れられたとは思えないほどの快感を与えてくれた。
恥ずかしくなるほど、呼吸が乱れてしまう。
触れるか触れないかの微妙な距離でさすられると、自然に背中がしなるほど気持ちがいい。
膝が震えて、立っているのがやっとの状態だった。
「夜伽とは褥でするものだな」
そう言うと私を軽々と横抱きして、敷いてあった褥にゆっくり下ろしてくれた。
私に覆いかぶさる光秀さんの口付けを受け入れながら、腕を回して抱きしめる。
やっと、やっと、結ばれるんだ。
指先で一つですっかり受け入れ態勢にさせられてしまった私は、これから訪れる瞬間を想って、奥に熱を持ち始めていた。