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【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第17章 傾国の紅粉 【明智光秀 編】 R18





「莉乃・・・」


こちらが苦しくなるほど強く抱きしめられ、莉乃から伝わる気持ちはそれ以上のものだった。



背中に手を回し、優しく撫でてやる。



「愛されている実感、か・・・。 
十分に表しているつもりだったのだが・・・」



この三月の事が頭の中を駆け巡る。

いや、もっと前からか。


莉乃が500年後から来たというあの日から、俺は特別な想いを抱き始めていた。
それを自覚したのは少し先だが。


今、こうして莉乃が腕の中にいることだけで満足しなければ、、、

純真無垢な莉乃に、俺の黒い欲を晒(さら)す事などできない。




「光秀さん、もっと・・・表してください。  
口付けだけでは・・・足りません」



本当に酒が抜けているのだろうか、
男にこんな瞳を見せて・・・
その先が分からないほど子供ではないだろうに。



「小娘にしては・・・男を煽るのが上手いな。 
絆(ほだ)されるところだったぞ。」


笑ってみせるけれど、渾身の自制心で己を押さえ込んでいた。
これ以上ここにとどまるのは危険だ。





情欲の瞳から、急に不安の色が濃くなる。


「あの・・・もしかして光秀さんには・・・ 
他にも付き合っている女性がいるのですか?」




「・・・は?」




「光秀さんが私を抱いてくれないのは・・・

他に恋仲の女性がいるんじゃないか、私に魅力がないからじゃないか・・・


途中で止められる度にそう思っています。
今も、そうです・・・


私ばっかり光秀さんの事を想ってる気がして。


誕生日の贈り物にとあんな方法しか取れなかったほどに、私は光秀さんと、、、」






莉乃からまっすぐに射られるその視線の強さに戸惑ってしまう。



「先程の宴で・・・光秀さんは承知してくれました。
たとえ今夜だけの承諾だったとしても・・・ もう、待ちません。」

  

そう言うと、莉乃は俺の着物の胸元を掴み、自分の方に引き寄せた。
口付けをする為に。




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