第17章 傾国の紅粉 【明智光秀 編】 R18
「み、光秀さんっ、あのっ、、、」
「今更怖気づいても無駄だ」
口の中に舌を差し入れ、何も話せなくしてやる。
お前をもっと味わせろ、莉乃。
「んっ、あ・・・」
口付けだけで声が漏れてしまう莉乃。
肌の温度もだんだんと上がってきた。
湯浴みをしてしっとりと水分を含んだ肌は、手のひらに吸い付くように馴染む。
俺の体にすっぽりと収まってしまう莉乃の背を撫でながら、もう片方の手は頭の後ろに添えて口付けを続けてやると、惚けたような表情になってきた。
口付けだけでこうなるとは・・・
性格はバカみたいに素直だが、体もそうなのかと確かめたい欲望に駆られる。
ゆっくりと体を倒してやると、まだ完全に乾ききっていない髪が扇を広げたように畳に広がり、妖艶さに拍車をかけた。
横になった莉乃の胸は大きく上下し、呼吸が乱れているのを表してる。
すでに染まっている頬の赤みと甘い吐息がその先をと伝えてきて、俺は・・・
随分と乱されていた。
___そろそろ、この辺りで十分だろう・・・
これ以上は、俺も自制できなくなりそうだ。
莉乃は俺を見上げている。
「み、つひで、さん?」
「・・・莉乃 起きろ。」
「えっ な、なぜですか??」
「酒の席での戯(たわむ)れでお前を抱くほど、簡単な事じゃない」
「どういう意味ですか・・・」
「酔った勢いで・・・捧げるな」
身を起こした莉乃の瞳には、悲しみと怒りが同時に宿っていた。
「女の操(みさお)の価値は分かってるつもりだ。
本気になった相手のために・・・大事にとっておけ」
何も言わない莉乃。
「今宵は疲れただろう、もう休むといい。」
そう言って部屋を出ようとしたその時・・・
「私は本気です。」
振り返ると、莉乃が胸に飛び込んできた。
「酔った勢いでも、酒の席での戯れでもありません!
わたしは、わたしは・・・
光秀さんに、恋人として・・・求めて欲しい。
あなたに愛されている実感を下さい。」