第15章 魔王の平生 ~別館~誕生記念 【織田信長】
___誕生日翌日 軍議の広間
昨日と打って変わって…
いつもと変わらない日常に戻っていた。
「___以上だ、各自職務に勤しめ」
「はっ」
こうしていつもの軍議終わりの号令をかける。
「秀吉。」
「はい、信長様」
「来年の誕生祝いの事だが。」
「来年の…ですか・・・?」
他の武将たちもおや、という顔で動きが止まっている。
「誕生祝いの謁見は受けるな」
「それはなりません、信長様。
関係各地の大名が誕生祝いに品を持参し、お祝いするのは毎年恒例のこと。
大名たちとの親交を深め、織田軍をより強靭なものとするためにも
謁見を受けない理由は見当たらな___ 」
「___黙れ、猿。 祝言を挙げる」
「あぁ、なるほど。承知しました。
それは忙しくなりま、、、、
えっ!!!!!!!??????」
三成は持っていた本の全てをばさりと床に落とし、政宗はがくりと膝をつく。
表情を顔に出さない光秀と家康ですら、目を見開いて驚いた様子だった。
「お、お、恐れながら…
あ、あの、、、お相手はどちら様で…?」
おずおずと秀吉が問うてくる。
「貴様、阿呆か。 莉乃以外にいるわけがなかろう。」
「莉乃に婚姻の申し出をしたんですか?」
「申し出に莉乃様はなんとお答えになったのですか??」
「ほう、信長様がついにお決めになったか。これは面白い」
「俺はもう奥州に帰る・・・・・」
「黙れ貴様ら。 おのおのが勝手なことを申すな。」
「・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「昨晩より、莉乃は俺の許嫁となった。
今後は莉乃を『正室』として扱うように。家臣、下々の者にまで伝え広めておけ。」
どんよりと静まり返る広間。