第2章 フロイド【R18】
「そお?小エビちゃん、あまーい匂いするし、肌ふにふにで美味しそうだけど。」
身を屈めた先輩の鼻先が喉に触れた。呼吸する度吐き出した吐息が薄い肌を撫ぜる。
「ん、んぅ…。」
「首にちゅーされるの好きぃ?」
「わ…わかりませ…!」
ちゅ、ちゅ、と甘やかなリップ音を立てて顎のすぐ下、首筋、鎖骨と何度も唇が吸い付き、ゾワゾワと背筋が震えた。触り方が思いの外優しくて、頭の中がフワつく。
かと思えば、急激に鋭い痛みが走る。視線を落とすと、鎖骨上の肉に喰い付かれていた。彼の歯は人間と違い、ギザギザと波打っている。そんな歯牙が肌に思い切り突き立てられているのだ。とんでもなく痛い。
「いッ……!!痛い!!リーチ先輩ッ!」
「あっ、ごめーん。」
先輩は弛緩に口を外す。喉にはズキズキとした痛み残り、彼の唇には赤い血液でしっとりと濡れていた。あ、あのまま喰い破られてたのでは…?恐怖と痛みに視界が滲む。
「ごめんって言ってんじゃん、泣かないでよ〜。」
「うぅ…痛い事は辞めてください…。」
「はぁ〜い。」
ほんとにわかってんのかこの人は…。ぐすぐす鼻を鳴らしていると、先輩の舌が先程噛み付いた場所へそっと這った。まだ痛みは残る。なんなら当分消えそうにはない。勿論、歯型ごと。
行為に戻ってすぐ、彼の手が背中に回され肌着のホックを外される。最初から構造知ってたのかって位あっさり外されて驚いた。
「あはっ、やっぱ柔けぇ。」
「ふ、っ…ん……。」
リーチ先輩の手が胸を包む。手が大きい分あっさり収まってしまうのが些か悲しく感じるが、この人の掌の大きさが多分規格外なんだと頭の中に言い聞かせた。彼は指先でつついたり、指を埋め揉みしだいたりと弄ぶ。なんとも言い難い緩やかな快感に瞼を下ろした。
「哺乳類はぁ、赤ちゃんができるとここからミルクが出るんでしょ?今は出ねぇの?」
「出ませんよ…子供いませんし…。」
「じゃあオレの赤ちゃん孕んだらさぁ、こっから出てくるところ見れんね。」
「孕ッ…正気ですか!?」
「なに驚いてんの?交尾するって事は、オレの番になるって事でしょ?」
「ええぇ…!」