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【R18】短編小説【ツイステ】

第5章 ジェイド【後編】



「あの、お風呂ありがとうございました。」

「これはこれは…矢張り僕の服では少々大き過ぎたようですね。」

「わかってましたよね?わざとですよね?流石にもう騙されません!」

「それは残念。それにしても…話に聞いた事は有りましたが確かにこれは視覚的に、雄として本能を刺激されると言いますか…僕の衣服に身を包んでいるかと思うと、とても良い気分だ。」

「ん…。」

足音も立てず近付いてきたジェイド先輩の唇が頬へ押し当てられた。彼は直ぐに屈んだ背を戻し、部屋に置かれた机を指差す。

「あちらにお飲み物を用意しておきました。宜しければ飲んでお待ち下さい。僕もシャワーを浴びて参りますので。」

「うわ、何から何までありがとうございます。」

「いいえ、それでは後程。」

ここはホテルか?って位至れり尽くせりなんだけれど…。ジェイド先輩はお茶が好きだって言ってたし、どんなものを用意してくれたのか気になってティーカップを覗く。ふんわりと優しいジャスミンの香りが鼻腔を擽った。わ、美味しそう。一緒に角砂糖とミルクも用意されてる。
折角わざわざ淹れて貰ったし、有難く頂く。落ち着くなぁ…。カップを置いて着ていた長袖の裾を鼻元へと持っていく。すん、と鼻を鳴らせば何となく先輩の匂いがして心臓が高鳴った。…私本当にあの人と付き合う事になったんだ。

「ふふ…先輩の匂いだ。」

「随分愛らしい事をされていますね。」

「うわあ!?」

「おっと、危ない。」

耳元で囁く声に身体が飛び上がる。幸い零れる事は無かったが代わりに私の心臓は飛び出るかと思った。振り返ると、いつの間に上がったのかジェイド先輩が立っていた。本当に人が悪い。

「い、いちいちからかわないで下さい!」

「それは難しいご相談ですね。さんの反応を見るのは僕の楽しみの1つですから。」

「紳士だと思ってたのにとんだ勘違いだ…。」

「何を言っているんです?その様な男を誘う格好をなされているのに、手を出さないだけ十分紳士でしょう。」

「この様な格好をさせたのはジェイド先輩ですけどね?」

手を差し出されたので重ねると、そのまま引っ張り上げられ椅子から立ち上がる。そのまま連れられた先はベッドだった。ジェイド先輩は躊躇わず縁へ座る。困惑して彼を見下ろせば、トントンと隣を叩かれ戸惑いがちに指示された場所へ浅く腰掛けた。
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