第4章 ジェイド【中編】
それは一体どういう意味で言っているんだ。
私達3人のことか、それともジェイド先輩の事を言っているのか。答えは分からないまま私は2人に連れられ、人の居ない教室へと忍び込む。
「……何ですかこれは、私は尋問されるんですか?」
「そうそう、正直に答えねーと首がとぶぜ。」
「エース、辞めろって。またが逃げ出すだろ。」
「逃げらんねーよ、鍵閉めたし。」
「エースはそういう所本当にちゃっかりしてるね…。」
私達は適当な机に座りほんの小さな輪を作った。なんでこんな事になってるんだろう。黙り込んでいると、静かにデュースが口を開く。その表情は少しだけ不安げに見えた。
「…その、監督生はリーチ先輩と居る方が楽しい、のか?」
「うわー、お前ほんっと物事の順序ってのが分かってないよねー。いきなりそんな事聞く?」
「だっ、黙ってても仕方ないだろ!」
「そーだけどさぁ、普通はまず本当に付き合ってねーのかから聞かねぇ?」
「さっき付き合ってないって言ってただろ。」
「だー!もういいもういい!話が進まねぇ!んで、どうなのよ?実際のところ。」
「…え?あ、うん。付き合ってないしエースとデュースとグリムと一緒に居るのも凄い楽しいよ。この世界に飛ばされて初めて出来た友達なんだし。」
デュースの表情は、一気に和らいだ。分かりやすいなぁ。対極的にエースの表情は変わらない。依然曇ったままだ。
「一緒に居るの"も"って何だよ。そんなにジェイド先輩は面白いわけ?」
「面白いよ!海の話を沢山聞かせてくれるし、小さい頃のフロイド先輩やアズール先輩の話も教えてくれるから。どっちの方が楽しいかなんて決められな………あ、分かった。もしかして妬いてるの?」
「「な゛……ッ!!」」
「そんな心配しなくてもエースもデュースも大事な友達なんだから、急に離れてジェイド先輩の所に行ったりなんかしないよ〜。」
「は……?」
「え……。」
「……えっ、何違った…?」
2人はキョトンとした顔をする。言い方的に、私がエース達の友達辞めるんじゃないかって心配をしてるのかと思ったんだけど違うの?私とてつもない勘違いをした…?
「……ぶっ、あはは!お前本当変な所鈍いよなー。」
「…はは…。いや、まぁでも核心をつかれるよりマシだな。…あの人と付き合ってない事も分かったし。」