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【R18】短編小説【ツイステ】

第4章 ジェイド【中編】



「送って頂いてありがとうございました!」

「とんでもございません。また明日、本日と同じ時間にこちらでお待ち致します。それでは、ゆっくりお休み下さい。」

「ジェイド先輩も、おやすみなさい。」

門の扉を締め、彼と別れてからグリムを起こさないように忍び足で寮のベッドへ戻る。枕に頭を乗せ、瞼を降ろす。すると先程までの光景が頭の中に浮かんで来て、嫌でも心臓が早鐘を打つ。そういえば、ジェイド先輩はなんで私に構ってくれるのだろう。何か特別な対価を取られた覚えも今のところ、無い。

「掴みどころがない人だな…。」

無意識に、ジェイド先輩の事ばかり考えてしまっている。そんな自分に気付くことも無く私は静かに眠りに着いた。
この日を境に、私は何度も夜に逢う約束をしては彼との秘密の時間を過ごす事が増えていった。会う度に口付け、魔法を使い、雑談をして帰る。少しずつキスをする事にも慣れ、困惑する事も抵抗感も無くなった。ただ、一つだけ疑問が生まれ始めていた。色変えの魔法を使っていた時、林檎を"青に変えます"、と公言したが頭の中では何となく黄色を想像した。しかし結果は林檎は青に変わってしまった事がある。単純に私が下手だっただけかもしれないが、それを切っ掛けに小さな疑念を抱く事となる。
未だに私と彼の関係はとても曖昧なものだけれど、ジェイド先輩と話す時間が楽しくて、待ち望む様にすらなって来たある日、いつものメンバーで学食を食べていた時の事だ。

「なぁ、今日の夜ハーツラビュルの談話室でトレイ先輩達とトランプやるんだけどお前らもどう?」

「えー、何それ楽しそう!負けたら次の日の学食奢りとかどう?」

「良いねソレ!少なからずデュースには負ける気しねぇ。」

「ボクだって、学食が掛かるとなれば負ける訳にはいかないな。」

「勝てばオレ様の学食が今より豪華になる…!?ヒャッホウ!、今日はハーツラビュルにトランプやりに行くんだゾ!」

「え?あ、うん。」

元々今日はジェイド先輩との約束もない。だから、ハーツラビュルに行くのは無問題なのだがグリムの言葉に少し引っ掛かった。それは私だけで無くエースも同じだったらしい。パンを頬張るグリムの顔を覗き込む。

「今日は、って何だお前ら、夜な夜な抜け出してどっかで遊んでんのか?」
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