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Good old fashioned lover boy

第9章 輝ける者の秘密


胸元が空き、てんとう虫が着いた黒いスーツに身を包んだ「彼」がゆっくりと私に近づいてきた。
その動作だけでも私の心臓はうるさいくらいの鼓動を響かせている…。
そして私の隣に来るとあのエメラルドグリーンの瞳でまっすぐに私を見つめていた。
「信じてくれたのですね…。」
「信じるか否やで無駄な争いは起こしたくないんです。
でも僕は貴女の命をかけた行動にこうやってお応えするのが礼儀だと思ってここへ来ました。
…こんな所で話すのもあれですから別の場所でお話しましょう。
近くに車を停めてあるので。」
そう言ってさり気なく私の腰に手を回して車までエスコートしてくれた。
後部座席と運転席の間には白いカーテンで仕切りが作られている。
VIP などを乗せる車によくあるパターンのものだ。
ドアを開けてくれた「彼」に促され後部座席に座ると「バタン」とドアが閉められた。
ここからは逃げることは私にとっては逃げることの許されない戦いが始まる…。
自由を手にするにはこうした大胆な行動も必要なのかもしれない。
「まず、あの手紙をどうしてこちらにお渡ししたのですか?」
私は震えをこらえ口を開いた…。
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