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Good old fashioned lover boy

第15章 Extra edition2


「ジョルノ、わ、私…」
何とか話を繋げようとしても涙が溢れてきて次の言葉が出てこない…。
こんな気持ちになったのは生まれて初めてだ。
「ヴィオーラ」
私の涙を指でそっと掬ってくれる優しい人…。
「彼」と出会う為に私はあの忌々しい力を持って生まれてきたのかもしれないと思い始めた。
そうじゃなければ私の人生はただ辛く苦しいものだったのだから…。
「普段から料理はするんだけどまだまだ勉強が足りなくて、どうしても作るものはシチリアの料理ばかりなの。」
「貴女が作ってくれる料理ならどんなものでも構いません。それに僕は貴女の故郷の味を知りたいです。」
「私、本当は泣き虫で寂しがり屋なの。」
「辛いことがあったら遠慮なく僕の胸に飛び込んできて良いんですよ?」
「私はあなたの過去を勝手に覗いてしまったわ」
「僕も任務であることを利用して貴女を傷つけてしまいました。お互い様です。」
「私はあなたの隣を歩けるような綺麗な人では無いわ」
「見た目の美しさは誰にだって磨けます。ですが貴女のように心を美しく磨くのは難しいものです。
僕は優しさで溢れた心を持つ貴女を美しいと思います。」
そう言って「彼」は額にコツンと自身の額を寄せた。
「この指輪は貴女のそのスミレ色の瞳に寄せて選びました。任務で長期間会えなくてもこの指輪があれば貴女がそばにいると感じられるからです。」
私が考えていた以上に「彼」はヴィオーラ・カルディナーレという人間を心から愛してくれていることが分かった。
そして私の心に迷いは残っていなかった。
「ヴィオーラ、返事をいただけませんか?」
私は「彼」の同じくまっすぐに見つめて言った。
「Accetto Volentieri(喜んでお受けします。)」
その言葉を聞いた瞬間、「彼」の顔がパッと明るくなり優しく唇を重ねられた。

その後、友人であるトリッシュから「どういう事なの!?」と問い詰められたのは少し遠い未来の話…。

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