Good old fashioned lover boy
第8章 愛にすべてを
(2枚目の手紙↓)
「そして今度は、自らの恨みの為に金を使って人を雇いあなた方を追いつめようとしてるのでしょう。
ネアポリス郊外のビーチにある高級ホテルをご存知でしょうか?
あの男はそこで自らの過去を打ち消す為にあなた方を追いつめるつもりです。
いくらスタンド使いの人間が揃ったところでもあの男は自らの手を汚すことなくあなた方を消すことでしょう…。
いずれ、利用価値がなくなった私もそうなるように…。
どうか、裏の世界に生きてるとはいえあなた方も一人の人間です。
一つしかない命を大事にして下さい。
ヴィオーラ・カルディナーレ」
2枚ともこちら側にしたら密告と捉えられるような内容のものだった。
文章のところどころに水のようなものにでも降れたのか文字が滲んでる部分がある。
「彼女」が自らの命をかけ、どんな思いでこの手紙を書いたのかがジョルノには手にとるように分かった。
相手に対して「命を大事に」とは言いながらも自らはそれさえも失う覚悟でいるというくらい「彼女」は慈悲深い人間なのだ。
そんな「彼女」をみすみす見殺しにするわけにはいかない…。
ジョルノは大きな決断を下した。
(否、既に彼は決断していたのかもしれない…。)
「あのホテルなら僕も知っています。
何故なら裏では麻薬の取引でよく利用されてるという情報が入っているからです。
リゾット、運命の日はそう遠くはないと思いますよ。」
ジョルノがそう言うと彼はゆっくりと頷いた。
「それはよく分かるが、3枚目は読まないのか?」
緊張感が張りつめていたあまりジョルノは例の3枚目の手紙の存在をうっかり忘れてしまっていた。
リゾットはフッと笑って「ゆっくり読みな」と言って部屋を出たのだった。