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Good old fashioned lover boy

第8章 愛にすべてを


執務室のドアを開けると既に日付が変わっているのにも関わらず、椅子に座って眼鏡をかけて書類に目を通す若きボスの姿がそこにあった。
「任務お疲れ様です。」
ジョルノは眼鏡を外してリゾットから証拠を撮影したカメラを受け取った。
「随分と仕事熱心じゃないか。」
「いえ、僕達の領域に奴がじわじわと侵してくることを考えただけでいてもたってもいられなくて…。」
ジョルノの言った通り、ロッセリーニはこのネアポリス一体に多くの足跡をつけていた。
自らの手は汚さず、人間をチェスの駒のように扱い縄張りを汚すなどギャングの世界では言語道断である。
ましてや、何も罪もない「彼女」を利用するなんて…。
「(彼女)のことも気になるのだろう。」
リゾットからこの言葉が発せられた瞬間、書類を片付けていたジョルノの手が止まった。
この気持ちに気づかれないように彼はなるべくの努力をしたつもりだ。
しかし、それは脆くも崩れ去ってしまった。
こんな時に恋に現を抜かすボスを彼はどう思っているのだろうか…。
だがジョルノが予想していた反応とは違い、普段はその圧倒させる雰囲気でギャング達から恐れられている彼はおらず、どこか穏やかな様子だった。
「…屋敷内で何があったのですか?」
ジョルノが慎重に尋ねるとリゾットは来客用に用意されているソファーに腰かけてこう答えた。
「(彼女)に会ったんだ。スタンドのお導きでな。」
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