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Good old fashioned lover boy

第8章 愛にすべてを


「誰なの…?」
普通だったら見知らぬ人間がそこにいればそうやって声をかけるだろう。
でも、この時の私にはそれが出来なかった。
否、そんな事をさせる暇は与えないと言わんばかりの雰囲気を私は感じた。
でもこの人は確か…。
「思い出したようだな。」
身体の奥底まで響くような低いバリトンの声で私にそう言ってきた。
しかし、一つだけ分かるのは私と同じようになまりのあるイタリア語で話すということだ。
その言葉の一つ一つに私は緊張感よりも安心感が心の中で満たされていく…。
この人は私と同じくシチリアの血が入ってるに違いない。
「あの、前にパーティーで…」
私が先ほどの言葉の返事をしようとした瞬間、彼が割って入ってきた。
「あぁ、あのパーティー会場に俺もいた。
アンタが話し込んでたあの若きボスの護衛だ。」
私が話してたあの「青年」がそんな地位にいる人間だなんて…。
気がつけば私は速読術を使って本を読むように以前の行動を思い出そうとしていた。
何か失礼なことをしてないだろうか…。
相手の機嫌を損ねることはしてないだろうか…。
そんなことを考えていると彼がまた私に言った。
「安心してくれ。今の俺はアンタの命を奪うようなことはしない。」
「でも、どうしてここに来たのですか?」
すると、彼の背後から私のスタンドであるジュエルがこちらに顔をのぞかせた。
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