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Good old fashioned lover boy

第8章 愛にすべてを


※ヒロインside
夜はますます深く、暗いものになってるにも関わらず何故か目は冴えたままだった。
そういう時の私はほとんどこうして窓辺に置いてある椅子に座り、こうして外の景色を眺める…。
この窓からは人の出入りがよく見える。
今日はあの男が屋敷から出る瞬間を見た。
しかし、普段は窓の近くには近寄らないようにあの男から言われている。
何故なら「私」は他の人間とは違う能力を持つ為にあまり他の人間に知られたくないからだ。
たったそれだけの理由で私はこうして籠の中の鳥のような生活を今日までしている…。
もちろん外に出て自由になりたいとは何度も思った。
しかし、いざそうなってみたら私はどうやって生きてくのだろう…。
どんな人生を送ろうとするのだろう…。
それが全く想像出来ないのだ。
昔、テレビで邪教や占い師などによって洗脳されて長きに渡って拘束されてた人々を取材した番組を見たことを思い出した。
洗脳から解放されたはいいものの、世間から奇異な目で見られることが辛いと感じる人も少なくはないことと、自由の身になったとしても目標や希望がなくどうしたらいいか分からないと困ってる様子もその番組は伝えていた。
最初は他人事だと思っていた私も今はその人達の気持ちが痛いくらいに分かる。
現代社会において、人々が求める「自由」の先にあるものは一体なんだろう。
それを手にした私ははどうなるのだろう。
考えても何も出てはこない…。
すると、扉付近に何かの気配を感じたので振り返るとそこにいたのはあの「青年」とは違うモノクロの服に身をつつみ、ルビーのように真っ赤な瞳を持つ大柄な男が一人立っていた。
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