Good old fashioned lover boy
第8章 愛にすべてを
地下に伸びる階段をゆっくりと降りれば目の前に現れたのはこれもまた厳重なセキュリティが敷かれた大きな扉だった。
どうやら奴の指紋認証が無いと開けられないシステムになってるようだ。
しかしここで引き返すほど彼は愚かではない。
リゾットはジョルノが手に入れた奴の指紋がついたフィルムを取り出して右手の人差し指につけた。
(これはあのパーティーの時に奴が触れたカウンターから誰にも見られないように採取したもの。)
システムが稼働して簡単に扉のロックは解除された。
やってる事はスパイ物の映画に出てくるスターのようだと苦笑したくなるのを抑え、リゾットは例の地下室へと入った。
中は車のガレージほどの広さで本棚と机があるだけの場所だ。
本棚には何かの資料をまとめたファイルがびっしりと並べられており、一番下の列の右端には黒革の日記らしきものがあった。
ファイルを取り出して中を見ると,そこには奴自身が被害にあった事故の記事やあの「弓矢」についての研究記録、さらにパッショーネの詳細や組織の後ろ盾を欲してる他の組織などの記録が何冊にも分けてまとめられていた。
そしてそこには彼女のスタンドの記録もしっかりと残っていた。
これは重要な手がかりだ…。
リゾットは全て残らずカメラで撮影した。
最後に残ったのは黒革の日記らしきもの…。
リゾットがそっと中を開けるとそこには身の毛がよだつような内容が書かれていた。