Good old fashioned lover boy
第8章 愛にすべてを
車から降りたリゾットは自身のスタンド能力でステルス化して屋敷の裏口から侵入した。
(そこにも厳重なセキュリティが敷かれていたが仲間から得た情報を駆使して簡単に開ける事が出来た。)
今日はロッセリーニが親交のある大物政治家達との会食で屋敷にはいない。
さらに言えば、彼に仕えてる家政婦達もほとんどが休日を貰ってる為に屋敷はほとんど空に近い…。
まさに屋敷内に侵入するには絶好のチャンスだ。
しかし、いくら調べても屋敷において「彼女」の所在については分からなかった。
奴の近くで長年仕えている執事に吐き出させた情報によれば、「彼女」の存在は自分と黒服のボディーガード以外はほとんど知らないという。
食事も別々に摂り、ほとんどは屋敷内にある「部屋」で過ごしており人前に出るのは奴の許可がないと不可能だという。
生活の保証はするがある程度の自由は制限されている。
まさしく軟禁状態というわけだった。
そしてこの屋敷にはロッセリーニしか知らない地下室があり、そこによく出入りしてるらしい。
(地下室に何があるのかまでは執事は知らない。)
その執事から手に入れた屋敷内の地図によれば、東側の方に例の地下室があるようだ。
リゾットは迷宮のような屋敷を東側の方向へ一人歩いていた。
角を曲がった先、彼の前に現れたのは一際暗い空間だった。
そこをよく見ると地下へ通じる階段が暗闇の方へと伸びていたのだ。