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Good old fashioned lover boy

第8章 愛にすべてを


先ほどまでの活気は一気に静まり、街や人々も眠りについた夜にフーゴは車を走らせていた。
静かになった夜に一人気の向くままにドライブするならもっといい気分が今回は事情が全く違う。
何故ならジョルノから新しい任務の命令が下りたからだ。
これまでに組織を嗅ぎまわる連中を締め上げて集めた情報によると、全てあのロッセリーニの指示で行ったものだとどの連中も口を揃えて言っていた。
先日に会議で知った極秘資料の内容によって奴の目的を知った時、フーゴは思わず舌打ちをしてしまいそうになった。
己の目的ならばどんな手を使ってでも遂行して挙げ句の果てには立場の弱い人間(ここで言うと彼女)を利用する意地汚さに苛立ちが止まらなかった。
車はどんどんネアポリスの中心地から離れ郊外の方へと向かっていた。
「また苛立ちが始まったのか?」
後部座席に座っていた男がフーゴに話しかけてきた。
「えっ?あぁ、気に触ってしまいましたか?」
「いや、俺の知ってるドライバーと同じように苛立ちが募るとそうやってハンドルを指で叩く癖があるからな。
つい聞いてしまったまでだよ。」
「すみません。重大な任務をするのは貴方のはずなのに…。」
「君が気にすることはない。」
まもなく車は郊外にある大きな屋敷の裏側に着いた。
「…リゾット、ここが奴の屋敷です。
地下に向かうならここが近いですよ。」


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