Good old fashioned lover boy
第3章 華麗なる瞳
ライトが当たるステージに登場したのは司会者らしき黒いスーツを着た中年の男だった。
「おっ、なんか始まりそうだな。」
ミスタは待ってましたと言わんばかりの様子だ。
「紳士淑女の皆さんこんばんは。
今宵はいかがお過ごしでしょうか?
さて、今夜のショータイムは皆さんを息をつかせる間もないくらいの時間になることでしょう。
それでは登場していただきましょう。
花と宝石の魔術師、ミス・ヴィヴィの登場です!!」
男のアナウンスによって現れたのは白いブラウスに黒い燕尾服を着た若めの女だった。
肌は雪のように白く、腰まで伸びる長いブルネットの髪はみつ編みにして一つにまとめられている…。
顔立ちはどこか素朴な雰囲気を残しているようで化粧っ気があまりないようだった。
「めっちゃセクシーなお姉ちゃんが来ると思ったけどイメージとは違ったな」
ミスタが頬杖をついたままそう言うとすかさずフーゴがキッと睨みつけて脇を肘で小突いた。
歓声が向けられた彼女は手を振りながら答えている。
「あの姉ちゃん珍しい瞳の色だな。」
ナランチャがそう呟いてジョルノが見てみると、彼の瞳に写ったのは宝石のように輝くようなスミレ色の瞳だった。
ジョルノはその瞬間、時間を止められたような感覚に襲われた…。
しかし、そんな事は露知らずショーは始まった。