Good old fashioned lover boy
第6章 恋のゲーム
「…ええ、そうです。
それが奴の常套手段なんです。」
彼女は「もう何も言うことはございません」と言わんばかりに自身の前にあった灰皿に視線を落とした。
まるで、完全犯罪を作り上げたはずがそれを名探偵や名刑事に暴かれうなだれてしまった犯人のようにも見えてきた。
しかしジョルノは情報を聞き出したはいいものの、彼女のことから目を離せなくなっていた。
流れるように長いブルネットの髪はショーの時とは違い緩く一つにまとめており、高級感のある紺色のノースリーブワンピースからは雪のように白いスラリとした手足が見え、足元は銀色のミュールで飾られていた。
薄化粧ではあるが派手に着飾るのとはまた違う色気を醸し出していた。
ジョルノは少年期から現在に至るまで、自身に近づく異性には冷たい態度をとっていた。
何故なら、相手がもし敵対する組織の人間だったならば自身のみならず他の仲間にも危害が及ぶかもしれないからだ。
しかし、かと言って女性関係が全くなかった訳ではないが、どれも自身を利用しようとした人物ばかりであった為にジョルノは女性に対してほとんど興味を示さなかったが今回ばかりは違った。
彼女に恋をしてしまったのだ…。