Good old fashioned lover boy
第6章 恋のゲーム
ナランチャのこの発言でその場にいた全員に緊張感が漂い始めた。
映画やドラマでよく見かける美女が標的となる人間に近づくというシチュエーション…。
普通の人間からしたらあくまでフィクションという立場で見られるが、「この世界」にいる限りはよくある事だ。
しかしそれはほとんどの場合、自分達に何者かが近づくパターンが多い…。
ジョルノがボスの座についた事によって腐敗しきった組織が改革され、現在では国内でも多大な力を持つ組織までのし上がった。
故に彼らの後ろ盾が欲しい連中が多いのは事実だ。
そんな彼らが彼女に近づくとなるとあまりにもリスキーであり、下手をすれば自分の命が危なくなる…。
「まあ、リスクがあっても相手はあのお姉ちゃんだろ?
ミスタさんわりとタイプなんだよね〜。」
頬杖ついてニヤついた表情を浮かべながらミスタが言った。
「タイプって言ってますけどあのショーの時、貴方は彼女の胸元ばかり見てましたよね?
下心あったら女性は警戒してしまいますよ。」
フーゴが効き過ぎるくらいのジャブのようにまくし立てた。
(聞こえない程度に「アホらしい」とも呟いた。)
「けどよ、俺が言うのもなんだけどあの姉ちゃん男と会話するのが苦手なように見えたんだよ。
そんな簡単に心開いてくれるのかよ」
ナランチャが眉毛をハの字にして困り顔の表情で言った。
いつもはフーゴに怒られることが多い彼だが観察力はなかなか優れている。
「映像で見たように彼女に唯一近づいたのはボスだろ?
それなら平気なんじゃないか。」
メローネの発言に全員が一斉に彼の方を向いた。