Good old fashioned lover boy
第6章 恋のゲーム
「随分と大事そうに持ってるよね。
何を隠したんだろう?」
アバッキオによって隠し撮りされた映像を見て一番最初に口を開いたのはメローネだった。
「スカーフで隠されてるからあまりよく分かりませんが、形状から推測するとノートや日記帳の類かもしれませんね。」
フーゴが続いて言った。
隠した直後にジョルノが彼女に近づいた様子が映し出されている。
(ナ)「おっ、ボスがやってきた。
なぁ、あの姉ちゃんどんな感じだった。」
「ショーで会った時と同じように変わらず物腰が柔らかい穏やかな方でしたよ。」
相手から質問されたことを答えただけなのに何故かジョルノはモヤっとした気分になった。
いつもと比べて何かがおかしい。
他の仲間はそんな彼のことは露知らずに話を進めていく。
「スタンドの気配は感じたのか?」
タバコの煙を天井へと吹いたプロシュートが尋ねた。
「ええ、貴婦人のような見た目をしたスタンドでしたよ。
ですが、攻撃するような素振りはありませんでしたけど。」
攻撃してこないからといって彼女が組織に害を与えないとは限らない。
奴のように己の利益になる為なら相手の弱みを握り強請って金を巻き上げように、人間には誰しもが相手に見せない本当の姿があるはずだ。
まさか彼女も…。
今のジョルノにとってはあまり考えたくないことであった。
映像は奴が彼女の元へ黒服の男と一緒に来たところで終わっていた。
「やはり彼女は最重要人物となりえそうだな」
そう言ったブチャラティの表情は険しいものだった。
「これ以外にも収穫はあるぞ。」
アバッキオの発言にその場にいた全員が彼の方を一斉に見た。