Good old fashioned lover boy
第5章 誘惑の炎
まずい…見つかってしまった…。
この指輪は私がショーで披露したマジックで出したものだ。
そう、この青年達がいたあの日に…。
でも今日ここにいるのは黒髪のボブスタイルの髪をした人と銀髪で赤い瞳の大柄な人、キリッとした顔立ちで紫色の口紅をしてる人…。
大柄な人以外はショーで見た。
まさか、この青年のボディーガード…?
私の前にいる彼は何者なの?
そして私の瞳に映った小さくうずくまっていた黒髪の少年…。
心の中で謎がどんどん広がっていく…。
「いい人からの贈り物ですか?」
青年の言葉で私は我に返った。
「いえ、自分で手に入れたものです。」
私はあの男から以外はプレゼント等は受け取れない決まりとなっている。
(けれどあの男からのプレゼントはほとんど身につけたことはない。)
そして私が青年に返した言葉には半分嘘がある。
ショーで出したが自分で稼いだお金で買ったものではない。
咄嗟についた嘘はすぐに見破られる…。
取り返しのつかないことをしてしまった…。
それにこの指輪をしてる理由なんて誰にも言えない。
この青年の瞳が宝石のように美しくて思わずマジックで使ってしまったなんて…言えなるわけがない…。