Good old fashioned lover boy
第5章 誘惑の炎
二人が部屋を出た後、ジョルノは一人まだ彼女の経歴などが載った資料を見ていた。
彼女は15歳の頃からマジシャンとして活動を始めた。
それは、同じ年齢で組織のボスの座についた自分と何故か重なってしまう…。
メローネに対し、どうしてあんな言い方をしてしまったのだろう…。
普段から感情を表に出すような口調にならないようにジョルノはいつも心がけていた。
何故なら、この世界ではそれによって命取りになるような状況があり得るからだ。
奴のことを調べれば調べるほど彼女のことが頭から離れなくなっている。
そして、彼女のことを別の誰かが話題にしただけで何故こんなにも心に雲がかかるような違和感が起きるのだろうか…。
ショーの後、自分達がいるテーブルに彼女が来た際にスタンドの気配は薄々気づいてはいたものの、それ以上に彼女の瞳の輝きに気をとられてしまった。
しかし、明るいキラキラとした輝きの奥にどこか悲しく、憂いを帯びてるようにジョルノは感じた。
彼女の過去に何があったのか…。
そしてロッセリーニとどんな関係があるのか…。
知れば知るほど「ヴィオーラ・カルディナーレ」という女性に興味が湧いてくるようにも思えてきた。
その時、秘書部の部下が一通の手紙を持って部屋に入ってきた。
渡された手紙は白い封筒に真っ赤なシーリングスタンプが押されていた。
差出人をみるとそこには奴の名前が書かれていた…。