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Good old fashioned lover boy

第5章 誘惑の炎


「国民的夫妻、結婚10年目にして養子を迎える。」
「養子は夫の愛人との子供か。」
「出生地、不明。難民の養子か。」
ジョルノがパソコンで調べた新聞にはこの文字達が大々的に書かれていた。
中には記者の憶測で書かれたような文言もある。
有名人がいると何かと話題にしたがるのが人間の心理だ。
「記者の妄言がほとんどだけど、彼女が夫妻の養子なのは裏で入手した書類で証明されてるよ。」
メローネはそう言ってコーヒーを一口飲んだ。
かつて死をかけて戦った相手だが、今は任務の手がかりとなる情報収集を引き受けてくれる人間になったとは誰も想像出来ないであろう。
「15歳の頃から両親の付き人をしながらマジシャンとしての活動を始めたみたいだけど、娘だということは夫妻の関係者でも知ってる人はわずかだったらしいよ。」
この男の情報収集にはジョルノはいつも驚かされる。
他の仲間によれば諜報部とのパイプを独自で持っているらしく、そこから情報を得ることもあるという。
「よくここまで調べられましたね。」
「ボスの為ならなんなりと。」
「調べた人物が女性だからでしょう。」
同じ部屋で別の作業をしていたフーゴが皮肉混じりに言うとメローネがすかさず返した。
「写真も見たけどまあ悪くはない感じだったからね。」
「あなたのスタンドの母体にですか?」
ジョルノは何故か語気を強めて彼に返した。
すぐ我に返ったがどうしてあんな言い方をしたのか自分でよく分かっていなかった。
近くで作業してるフーゴが驚きで肩を少しビクリとさせたくらいに…。
「母体には向かないかな。
見た感じだけど、箱入り娘の印象が俺には見えたからね。」
その言葉を聞いてどこか安堵したような気持ちになったジョルノだった。




  
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