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Good old fashioned lover boy

第4章 ジュエル


※ヒロインside
暑さも本格的になり、街の人々は開放的になって明るくなるが私にはそんな時間を時間を与えてくれはしない。
部屋には誰もが一度は耳にしたことがありそうな高級ブランドの洋服やドレス、靴やバッグが置いてあるが私にはそんなものは必要ない。
身につけたって似合うものではないからだ。
いつ間違えてしまったのだろう…。
「ある程度の自由は与えるが下手な行動をとれば君の命はない。」
それが“あの男”から言われた宣告だった。
それから7年の歳月が流れた…。
今頃私と同年代の人々はオシャレや恋に勤しんでることだろう。
でも私にはそんな事は一生許されることはないだろう。
しかし、自由の身になったところで私に居場所はどこにもない。
私の手元にあるのはわずかに残った両親の写真と愛猫の写真、そして誰にも理解出来そうにない不思議な力だけだった。
だけど、あの日のショーで見た青年の瞳だけは焼きついて離れない。
目を覆いたくなるような血まみれの争いのようなものが最初にとびこんできたが、その後に映ったのは薄暗い部屋の中でベッドの上で体を丸めて震えながら夜を過ごす黒髪の少年が私には見えた。
その少年もショーで見たあの青年と同じエメラルドグリーンの瞳だ。
あの青年に何があったというのか…。
何故だかその事だけが今も忘れられないのだった。
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