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Good old fashioned lover boy

第4章 ジュエル


「しかし何で真っ昼間からコイツの顔見なきゃならねえんだよ。」
本部にある共有スペースの部屋でミスタはテレビを観ながら不満を露わにした。
彼が“コイツ”と言った人物はにこやかな顔をしており時にはちょっとしたジョークで周りを楽しませていた。
男の名は「レオナルド・ロッセリーニ」…。
代々続く資産家の家系に生まれ、自身も数々の事業や慈善活動を手掛ける実業家の顔を持ち、そればかりではなく、端正な顔立ちと高級ブランドのスーツをサラリと着こなしてしまうモデルのような甘いルックスで世の女性たちをも魅了してしまうような男だ。
現に先ほどは観覧に来ていた若い女性にサラリと口説き文句を言って番組内は盛り上がりを見せていた。
「どうにもいけ好かねえな」
「嫌ならチャンネル変えればいいでしょう。
そしてミスタ、ソファーに寝転がるくらいならどいてくれませんか?」
ミスタはしぶしぶと起き上がりフーゴは本を持ったまま、半ば強引にソファーに腰かけた。
「プロシュート達は平気なのか。」
床に寝転がりテレビを観ていたナランチャはくるりと振り向きフーゴに尋ねた。
「ボスから連絡が入って二人共軽い怪我で済んだそうですよ。
誰の差し金かもしっかり吐かせたくらいですから今のところは元気なのでしょうね。」
「それが今は画面の向こうで笑ってるアイツってことか。」
先ほどまでの態度とはうって変わってミスタは低い声で呟いた。
「これまでも彼の周りには数多くの疑惑が取り沙汰されてたんですが、そのほとんどが知らないうちに元からそれがなかったようにされてきたんです。
恐らく、裏で都合の悪いものは全て火消しをしているのでしょう。
随分とタチの悪い男だ。
その化けの皮を一刻も早く剥がしたいくらいだ。」
フーゴが放ったその言葉に二人はただ事ではない空気をただひたすらに感じていたのだった…。
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