Good old fashioned lover boy
第3章 華麗なる瞳
例のバールから自宅へ戻った頃には日付が変わった直後だった。
かつて資産家が住んでいた豪邸と呼ばれていたこの家は、弱冠25歳のジョルノにとっては広すぎるくらいだ。
熱めのシャワーで酔いを覚ましていた頃、脳裏に浮かぶのはやはり彼女のことだった。
どこか優しく、そしてミステリアスな雰囲気を抱く彼女はジョルノにとっては謎でしかなかった。
浴室から出てきて寝室のベッドで横になった時も彼女が焼きついて離れていない。
そして、周辺をうろついていた黒服の男達…。
一体彼女にはどんな秘密があるのか…。
実は以前から組織の周りをうろつく影があるという情報はジョルノの耳にも届いてはいた。
まさかそれが彼女と言うのか…?
そうだとしたら何の目的があってこの街にいるのか…。
謎が謎を呼ぶばかりであった。
夜が辺りを少しずつ深く暗いものに変えていく。
まだまだこれからだと騒ぐ者が多いだろう。
しかしジョルノはこの夜というものが昔から嫌いだった。
早く朝になって欲しい…。
ジョルノはそう願いながらまぶたを閉じた。