Good old fashioned lover boy
第15章 Extra edition2
車はネアポリスの中心地からどんどん外れていき、郊外にある「彼」の家にたどり着いた。
実を言うと私はこの家に来たのはロランに襲われそうになったところを「彼」に助けられた以来なのだ。
それから私は「彼」と恋仲になってからは一度も訪れていなかった。
街中に溢れてるカップルからしてみたらとてもあまりにも清らかだと思われることだろう。
しかし、誇り高く紳士的な「彼」のことだから私に対して不埒な真似は決してしない。
そのせいか家の中ヘと入った瞬間、お湯が沸騰したかのように身体が一気に熱くなり心臓の鼓動がどんどん早くなっていった。
「彼」と一緒に広いリビングヘ入るとテーブルに手紙と紫色の小箱が置かれていた。
「良かった、ここに置いたままだった。」
「これが私への…?」
「えぇ、でもその前にこの手紙を読んで欲しいんです。と言っても書いてあるのは一言だけなんですが…。」
言われた通りに手紙を開くとそこには「彼」の綺麗な字でこう書かれていた。
「Sei la luce della mia vita.(貴女は僕の光です。)汐華初流乃 」
何とも「彼」らしい一言だが、私が見たことないような字が書かれていた。
「ねぇ、ジョルノこの文字は何?中国語のようにも見えるけれど…。」
「確かに中国語に見えるかもしれませんが、これはジャポネで使われる漢字というものです。」
「カンジ…?でも貴方の名前は…。」
「確かにイタリアでは僕はジョルノ・ジョバァーナとなってますがこの名前はジャポネにいた頃の名前なんです。」
初めて聞いたことだった。
私のスタンド能力で「彼」がジャポネに住んでいたというのは知ってはいたが名前までは知らなかった。
「隠しててごめんなさい。しかしどうしても貴女に打ち明けたかったんです。」
「私に…?」
すると「彼」は突然ひざまずき紫色の小箱を開けた。
中にはタンザナイトが輝く指輪が入っており、それを私の左手の薬指にはめると、あのエメラルドグリーンの瞳で私もまっすぐに見つめて言った。
「Vuoi diventare la mia sposa?(僕の花嫁になってくれませんか?)」