Good old fashioned lover boy
第15章 Extra edition2
「あら大変、どうやって登ってきたの?」
窓を開けると白い猫はスルリと部屋の中ヘと入ってきた。
どうやら大きな怪我などはしていないようだ。
私がふと気になったのが猫の首に巻かれている「もの」だった。
ロール状にした小さなメモ用紙のようなものを挟むように赤いリボンが巻かれていた。
首からそっとリボンを外すと紙が床に落ち、それを拾い広げると見覚えのある字が目に飛び込んできた。
「夜分遅くにすみません。どうしても貴女に誕生日を渡したくてこの手紙を書きました。
ですが、僕としたことが肝心なそのプレゼントを自宅に忘れてきてしまいました。
良かったら一緒に来てくれませんか?
近くに車を停めて待っています。ジョルノ。」
「彼が近くに来てるの?」
言葉が分かるはずないのに話しかけると猫はそのまま玄関のドアヘと歩いていった。
「待って、すぐに支度するから。」
手早く化粧を済ませ、外に出ても恥ずかしくない程度の服に着替えて私は猫を抱きかかえて部屋を出た。
しかし、大通りを出たところで猫は私の腕をスルリと抜け歩き始めたのだ。
猫に案内されるがままにどんどん裏道ヘ入っていくと、暗闇から一つの影が私の方ヘと近づいてきた。
「来てくれたんですね。」
聞き馴染みのある声が私の耳に響いて正面を向くと黒いトレンチコートに身を包んだ「彼」がいたのだ。