Good old fashioned lover boy
第15章 Extra edition2
アパートメントに帰ってきてすぐにシャワーを浴び、簡単な夕食を済ませた後に昼間に老婦人からもらったドルチェが入った箱を開けた。
中にはラズベリーやブルーベリーなどのミックスベリーが乗った小さなタルトが2つ入っていた。
箱から取り出して温かい紅茶を淹れて席に着くと私はタルトを一口食べた。
ベリーのほどよい酸味とタルト生地のしっとりとした食感が口の中で広がりほんの少し幸せな気分になった。
タルトを食べ終えて、夜のニュースを見ながら使った食器類を片付けてるとわずかにため息が漏れた。
「仕方がない」と頭では分かっているものの、やはり寂しいものは寂しい。
でもこんなわがままは「彼」を困らせてしまうだけ…。
私はただ「彼」のそばにいたいだけだから…。
そう心の中で呟くとカーテンがかかってる窓の方から猫の鳴き声が聞こえてきた。
(しかもかなり近い。)
まさかと思い、カーテンを開けるとそこにいたのは窓辺にはロール状に巻かれた小さな紙を首からさげた白い猫がいた。