Good old fashioned lover boy
第15章 Extra edition2
12月に入ると街はクリスマスムードが色濃くなってきており、出歩く人々はどこか幸せそうな雰囲気に包まれていた。
それもそのはず、この国ではクリスマスは家族や大切な人と過ごすことを何よりも大事にしている。
おかげで私が働いてる花屋ではいつもよりも多くのお客さんが店に足を運んでいた。
そしていよいよ訪れたクリスマス・イブの日…。
この日は私が生まれてから28回目の誕生日を迎えることになった。
今日が私の誕生日というのをどこかで聞いたのか店に来たお客さんから「おめでとう」と声をかけて頂いた。
それだけでも嬉しかったのにある一人の老婦人からは近くのお店で買ったというドルチェを頂いたのだった。
忙しかった時間はあっという間に過ぎて閉店時間となり私はパードレとマードレに「良いクリスマスを」とハグをして肌を刺すような寒さに身を縮めながら家路についたのだった。