Good old fashioned lover boy
第3章 華麗なる瞳
「右手じゃなくて左手につけないのか?」
なぜ酔っ払いはこうも止まらなくなるのか…。
「やめましょうミスタ。
彼女が困ってるじゃないですか。」
「わーったよジョルノ。」
「すみません。仲間が失礼なことを…。」
ジョルノが見上げると再びあの瞳と視線がぶつかった…。
「いいえ気にしないで下さい。」
彼女の声と瞳によってジョルノはこの時間を止めてしまいたいとふと感じてしまった。
しかし、その衝動は脆くもあっけなく崩れることになった。
後方から黒いスーツに黒いサングラスをつけた男が一人やってきて彼女に耳打ちをした。
彼女はそれを聞いた後小さく頷いた。
「すみません。もう時間がないみたいで…。」
(ミ)「おっ、シンデレラはお家に帰る時間か?
ガラスの靴忘れるなよー。」
「いえ、私はシンデレラではありません。
ただのしがないマジシャンです。」
彼女はそう言って彼らのいる席を後にした。
それを確認すると黒服の男が3人ほど彼女の後に続いて歩き出したのだった…。