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Good old fashioned lover boy

第3章 華麗なる瞳


「すみません。お見苦しい所を見せてしまって。」
ジョルノはすかさず彼女に侘びた。
「いいえ、とんでもないです。
私はこういった場面には慣れてる方なので。」
「慣れてるだと?」
アバッキオは眉間にシワを寄せたまま彼女を見上げながら言った。
「はい。人々を笑顔にするのが仕事なので。」
彼女はテーブルの上にあった空のワインボトルに黒い布をかけると、それを両手で握ると紙を丸めるように手を動かした。
すると、ボトルの形はどんどんなくなっていきそこから出てきたのは緑と紫のキキョウの花だった。
(ナ)「嘘だろ。ボトルどこ行ったんだよ。」
(ブ)「この花の名前は?」
「トルコキキョウです。
緑の花言葉は良い語らい、紫は希望を意味します。」
(ミ)「色によって花言葉が変わるんだな。」
「ええ、だから贈る相手によっても変わってくるんですよ。」
彼女の声が近くで聞こえるのはいいが、ジョルノは心なしか何とも言えない胸の違和感が出てきた。
何故こんな所で…。どうしてだろう…。
「よろしければどうぞ。」
フーゴはほんのりと耳を赤くしてその花を受け取った。
「すまないな」
アバッキオも仕方がないと彼女から受け取ろうとしたその瞬間、彼と彼女の指先同士が触れ合うような形になってしまった。
「あっ、すみません。つい…。」
「いやアンタは悪くない。」
アバッキオは先ほどまでの怖い表情とはうってかわって角が取れたような雰囲気に変わっていた。
「おいアバッキオ本当は嬉しいんじゃねえのか」
ミスタはニヤニヤしながら聞くと彼は黙ってろと言わんばかりに睨み返した。
(ナ)「姉ちゃん気にしなくていいぜ。
こいつ酔っ払うといつもこうだから。」
しかしほろ酔いのミスタはどうにも止まらなかった。
「姉ちゃん。あの指輪まだつけてるのか?」
「指輪?まだつけてますよ。」
彼女は右手の手袋を外してその指輪を見せた。
右手の薬指にはエメラルドの指輪が光輝いていた。
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