Good old fashioned lover boy
第11章 懐かしのラヴァーボーイ
食材の買い出しの為に街へ出てきたけど相変わらず人は多い。
まぁ、この辺りは観光地としても人気な場所だから国内外問わず人が往来してるからどこもかしこも賑わってるのは良いことなんだけどね。
こうやって一人で外出するとまた「あの人」が口うるさく言うけど、私だって羽を伸ばしたい時間が欲しいから少しくらいは自由にさせて欲しいものだ。
買い物を終わらせて街の中心地から少し離れた通りを歩くと、そこは先ほどの喧騒とはうってかわって現地に暮らす人々が穏やかな時間の中で生活の営みを見せていた。
「私もいつかはこんな生活を出来たらいいな…。」
そんな事を考えながらこの通りを歩くと一軒の花屋が目に止まった。
「こんな所に花屋があったんだ…」
そう思ってるとある一人の若い女性が私の目に止まった。
えっ、嘘でしょ…どうしてここに…?
その女性は見た目こそ違えど私にはすぐに分かった。
髪型や色は違っても、私が思わず吸いこまれそうになったあのスミレ色の瞳はまぎれもなく「彼女」しかいない…。
私は迷うことなく「彼女」に近づいて声をかけた。