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Good old fashioned lover boy

第11章 懐かしのラヴァーボーイ


「彼女」と出会ったのはとある小さな劇場の控え室だった。
といっても、個人の控え室なんてものは無くて大部屋みたいなところでショーに出る出演者達がそこで待機するといった感じだった。
大体はショーガール達などがおしゃべりしてたりメイクしてたり、または煙草を吸ってたりしているのがこの日は人が少ないのか楽屋はガランとして静まりかえっていた。
…でも、部屋の片隅に座り一人煙草を吸ってる女性がいた。
部屋が空いていてもほとんどの席は荷物で埋まっていた為、私は偶然空いていた「彼女」の隣に座りメイク道具を出していると誰かに見られているような視線を感じた。
視線を感じた方へ向くとアメジストのように綺麗な瞳をした「彼女」と目が合った。
その美しい瞳に思わず吸いこまれてしまいそうになった途端、「彼女」が私にこう言ってきた。
「あなたも随分と苦労してきたのね…。」
この一言で私は思わず椅子から立ち上がり自分のスタンドである「スパイスガール」を発動させた。
ところが、発動させたはいいものの、「スパイスガール」が一向に動こうとしなかったのだ。
「ちょっと何やってるのよスパイスガール!」
「トリッシュ、コノ人ハ敵デハアリマセンヨ…」
そう言って彼女が指差した方向へ視線を向けるとそこに「彼女」の後ろにいたのはたくさんの花と宝石が散りばめられたドレスのようなものを身にまといつばの広い帽子をかぶった人形のようなスタンドが見えたのだった…。
今まで見たことのない不思議な風貌をしたスタンドに気をとられているとスパイスガールが再び言った。
「彼女ハ私ト話ヲシタイミタイデスヨ…」
これが私と「彼女」との初めての出会いだった。
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