Good old fashioned lover boy
第11章 懐かしのラヴァーボーイ
昼間に自分の部屋にある物置棚を整理していたら一冊のアルバムが出てきた。
その中には、これまで撮影してきた写真がたくさん保存されていて私にとっては宝物のようなものだ。
疲れた時などにこのアルバムを見ては昔の思い出によく浸るけど、実は恋人のブローノには見せていないアルバムがもう一冊ある。
それはあの目まぐるしい「9日間」から数年経った後、私が18歳の頃に歌手活動をしていた頃に出会った一人の女性との思い出が詰まっているアルバム…。
どこかミステリアスで大人びた雰囲気があったが実際は私よりも2歳しか年齢が離れていないことに驚いたのは今でも鮮明に覚えている…。
それだけではなく私と「彼女」には点と点が一つの線で繋がるようにいくつかの共通点があった。
それは、早くに親を失くしてしまったことと…同じくスタンドであることだ。
最初こそ何を考えているのか分からなくて警戒はしていたものの、私のスタンドである「スパイスガール」が敵意は無いと判断したらしくそのまま私と「彼女」はお互いのことを話せる仲になった。
でも「彼女」は外部の人間が触れてはいけないような秘密を抱えているように見えた。
その後、「彼女」は私に何も言わずに忽然と姿を消してしまったのだった…。
いくら探しても誰も「彼女」のことを知らないと人々は黙って首を振るばかりか、一瞬知ってる素振りを見せても決して口を割ることはなかった。
だけど、周りがどうだろうと私は「彼女」のことを忘れることは一日たりとも無かった。
その「彼女」の名前は、ヴィオーラ・カルディナーレ…。