Good old fashioned lover boy
第11章 懐かしのラヴァーボーイ
ブチャラティはその日、組織の息が吹きかけられてる地域のみかじめ料の徴収で街を回り終えて本部に戻る途中である一軒の花屋を見つけた。
その花屋は現在の店主の祖父が始めたものでこの辺りでは昔から多くの人々に親しまれている店である。
ブチャラティはその花屋に立ち寄ると店先にある多くの花々に目を向けた。
昨夜、彼は恋人であり婚約者でもあるトリッシュと些細なことで喧嘩をしてしまったのだ。
元々は前のボスからの命令で彼女を護衛していたが、ボスの本当の目的を知り激昂した彼は組織を裏切り命をかけた戦いを経て現在の地位を築いた。
もちろん、ジョルノがボスになった後に彼女を解放してカタギの世界へ返したがこれまたある事件がきっかけで2人は恋人の関係へと進展したのだった。
トリッシュとは何度も衝突をするが、今回ばかりは数日間も彼女が口を聞いてくれなくなりさすがに限界を感じたブチャラティは仲直りの証としてどんな花を選ぼうかと眺めていると店主の一人である周辺に住んでる人々からは「マードレ」と呼ばれてる女性が彼に声をかけてきたきた。
「あら、こんにちはブチャラティ。」
「やあマードレ。調子はどうだい?」
「おかげさまで。でも珍しいわね。貴方がここに来るなんて…誰かと喧嘩でもしたの?」
「まぁそんなところかな。」
ブチャラティは苦笑いを浮かべながら答えた。
マードレは客がどんな目的で花を買いに来たのかを瞬時に見極めることに優れている女性だった。
もちろん、客ばかりではなく周辺に住む人々に話しかけたりと彼女が親しまれる理由は数多くある。
するとブチャラティは少し離れたところで若い男性の対応をしているパーマをかけてる黒髪の若い女性が目に入った。
「彼女、ここで働いてるのかい?」
「そうなの。2ヶ月くらい前からね。」
するとマードレの表情が少し曇るように見えたのをブチャラティは見逃さなかった。